診療科においてはさまざまなものがあり、例えばペインクリニックもその一つです。担当する医師は麻酔科医が多いので、麻酔科に近いかもしれません。ペインは痛みを意味する英単語で、ケガや病気のあらゆる痛みに対応している診療科です。患者が医療機関を受診する際、痛みが辛くなり来院する場合が大半でしょう。首が痛ければ整形外科、胃が痛ければ消化器内科を受診することになります。しかし、どこが痛いのか何が原因なのか正確にわからないケースもあるのが実情です。対処できなければ原因追及が必要ですが、解決までの痛みを和らげたいときにペインクリニックが役立ちます。ペインクリニックでは、麻酔を用いた治療がメインです。
具体的には、神経の近くに麻酔薬を打つことで痛みを軽減する、神経ブロック療法という手法を用います。人の体にはたくさんの神経が存在しており、痛みに応じた神経のポイントを特定して正確に薬剤を注入するのです。例えば、凝りを伴った痛みであれば、トリガーポイントブロックという痛点が反応しています。適切な麻酔薬または抗炎症薬なども併用して痛みを抑えていく、麻酔のプロフェッショナルである麻酔科医ならではの技術です。ただし、痛みを一時的に抑えるだけでは根本的な解決になりません。あくまでも原因を特定するまでの応急処置の一種で、さまざまな診療科の医師と連携しながら痛みの特定を進めていきます。このようにペインクリニックの存在は、患者に無理が出ないよう痛みの改善をサポートしていく強い味方と言えるでしょう。